SAYAMA 見えない手錠を外すまで

感想

辛淑玉さん(のりこえねっと共同代表・TRAI東京代表)

この映画を、どう観るかは、あまりにも受けてのレベルが問われると思った。

多くの人は、二人の微笑ましい姿に安心するのではないだろうか。
頑張っている姿に、励ませられる人もいれば、
支援してきた自分たちも報われたように思う人もいるかもしれない。

しかし、私は、石川さんの「青い」感性に、青春時代を奪われてきた無常さを感ぜずにはいられない。
監獄の生活は、彼の立ち居振る舞いをとても美しくした。
同時に、20代、30代で、獲得する異性とのキャッチボールの学習を奪われる。
年齢よりも、若く青年らしさが見えれば見えるほど、奪われた時間の酷さを感じていたたまれなくなった。
すてきな夫婦であることは確かだ。

早智子さんの、人生もまた、彼の生き方とともにある。
そして、この二人が、その日常も模範的であり続けていることは、
社会が、
支援者が強いている面も否めないだろう。
石川さんが、パチンコに行ったり、道路を横切ったり、へべれけに酔っ払って絡んだり、
不愉快な奴をハタくなんて姿は決してみられない。

彼がそうするということではない。
そういう自由も、実は無いということが哀しい。
無罪獲得は人間の尊厳の回復だ。

見えない手錠ははめ続けられている。
はめているのは、国家のメンツと、差別と、司法と、私たちなのだ。

  • 自主上映しませんか?
  • SAYAMA ツキイチ劇場
  • 映画「SAYAMA」大学上映プロジェクト100
  • メールマガジン登録

ページトップへ戻る

映画「SAYAMA」
みえない手錠をはずすまで

監督:金聖雄(キムソンウン)
音楽&ピアノ:谷川賢作/ギター&ハミング:小室等
撮影:池田俊巳
プロデューサー: 陣内直行

twitterfacebook

© 映画「SAYAMA」製作委員会